韓非子

五蠹(ごと)篇

待ちぼうけ 待ちぼうけ 今日は今日はで 待ちぼうけ 明日は明日はで 森の外 兎待ち待ち 木のねっこ 童謡「まちぼうけ」の歌詞の一節です。具体的には以下のような話。 農夫がある日昼寝をしていました。すると目の前でウサギが木の株に転げます。そして死にま…

第三十三 外儲説 左下

晋の解孤(かいこ)は自分の敵を趙簡主に推挙し、大臣とした。 その敵は思った。「解孤は幸いにも自分を許してくれたのだ」と。 そこで彼の家を訪れて感謝を述べようとした。しかし、解孤は弓を引いて射掛けてきた。 「おまえを推挙したのは公(おおやけ)ごとで…

第三十六『難』一 矛盾

語源から物事を説得してくる人って何なの? - ココロ社 こちらのブログを拝見して、ふと韓非子を思い出しました。「物事を説得するのに、ロジカルさなどは必要ない」とは確かに仰るとおり。ですがそれは自分の「生存」に影響しない話に限ってでしょう。 たと…

第二十三『説林』下、第ニ『存韓』

動物にカイというものがある。ひとつの体に二つの口をもっている。 食事を争ってお互いにかみ合い、とうとう互いに殺し、自殺するはめになった。 臣下で相争ってその国を滅ぼすような者は、みなこのカイの類だ 韓非子『説林』下 ここで出てくるカイ(漢字が…

第十二説難

趙高(ちょうこう)は戦国〜秦の宦官で、始皇帝に仕えました。彼の十八子・胡亥(こがい)の教育係となり、始皇帝の死後、その遺言を改ざんし、を二世皇帝として擁立することで秦の権力を一手に握りました。 その伝記は『史記列伝』の李斯(りし)列伝、及び蒙恬(…

第十二『説難』

竜は動物である。飼いならして乗ることもできる。 だが、その喉の下には逆さまの鱗(うろこ)がある。 もし、これに触れれば、竜は必ずその人を殺す。 君主にもまた、この逆さまの鱗がある。 説く者は、この逆鱗(げきりん)に触れぬように注意さえすれば、 君主…

第三『難言』、第十二『説難』

私(韓非)は、君主に申し上げることが出来ないのではありません。 言葉を華やかに飾れば、「飾りばかりで実が無い」と思われましょう。 手堅く、うやうやしく述べても、「話し方がまずく、筋が通らない」と思われます。 あれこれ述べて、比較を多く用いれば、…